札幌市で1968年から事務用品やOA機器などを扱い、現在ではオフィスの内装工事やネットワーク工事、
システム開発、移転作業代行などまでワンストップで提供する株式会社三城の小川博嗣社長に
NIVMS導入の経緯と活用状況を伺った。
私は、2008年にこの会社に入ったのですが、その時はほとんど個人商店の集まりでお客様の情報も属人化していました。手書きの日報はあったのですが、何をやったかしか
書いてないようなものだったので、
まったく営業現場やお客様が見え
ていませんでした。営業部長もプレ
イングマネージャーで飛び回ってい
るから、部下のマネジメントも不充分
で見込案件があっても知らない間に失注していたりという状況
だったんです。
一番まずいなと思ったのが、若手が定着しないことでした。実
績の数字しか見ないから、入ったばかりの人へのサポートも足
りず、結果として成績も伸びずに自信を失ってしまうわけです。
それで辞めてしまっても「あいつはセンスがなかった」で片付け
られてしまう。これではいけないということで、営業のプロセスを
見える化しようと考えたのです。
そう。プロセスを見ていないから成績が悪い営業担当者に的 確な指導ができないんですよ。昔は市場環境も良かったし勢 いで売れていた面があったわけです。ベテランは過去の蓄積 で売って来るんだけど、それでは今は何とかなっても10年後、 30年後を考えると伸びがない。やはり、一番伸びしろのある若 い社員が成長した部分が純粋に会社の成長になっていくの で、我慢は必要ですが若い人をもっと底上げしていく為には必 要な道具だと思って入れました。プロセスを見える化すること で、若手を孤立させないようにして、人を育てるという文化を醸 成しなければいけないと考えたのです。 導入する前と後で、どのような変化があったか
SFAで見える化したら、日々「お客様からこんなことを言われ
た」とか「こんな話があった」と書いておくと、それを見て、上司なり周りの人がサポートしてくれるという安心感が芽生えたという
ことですかね。
それまでは、やはり個人商店だったから、その人の知識や経験
でしかお客様に対応できていなかったんですよ。その人の力が
我々の会社の出来る事でしかなかった。若い人は大した経験
も知識もないから、その狭い範囲の仕事しか請け負ってこられ
なかったんです。
そうです。でも、ベテランの意識も変わって、きっかけさえつかん
で来てくれたら後は俺たちが何とかするよ、それでいいんだよ、
一人じゃないよと。それが組織だよ、会社だよという意識が芽
生えて来て、会社としての総合力が高まったということですね。
増えました。それでやっぱり、お客様の見方も変わったように思
います。三城に聞いたら何とかしてくれる、三城にトータルで頼
もうという話が増えて来ました。お客様の要求度も高くなって、
複雑、多様化しているから、個人の力量では限界があるんだけ
ど、組織でそれぞれが得意分野を持ち寄って知恵を集めれば
できるという体制になったということです。
そうそうそう。とにかく今は労働力不足で、新しい戦力はなかな
か採用も難しいから、今いる人材をどう最大限活かすか。そう
思って見てみると、実は社内で埋もれている能力っていくつも
あるんです。それをどうやって見える化して引き出すか。私はよく
ノウハウじゃなくて、ノウフー(Know Who)だと言うのですが、
この案件はあの人に頼めばいい、この話は彼が得意だと、社
内でも社外でも、得意な人に聞けばいい。あとは、応用力を高
めるためにロールプレイングを結構やっています。NIさんの
SFAと朝のロープレで、標準化と底上げが出来ています。
そうなんです。だんだんとビジネスの幅も広がってきて、お客様 の総務周りのことはすべてお任せくださいという提案が増えて います。まとめてご依頼いただくと、こちらも効率が良いしその分コストも下げられてお客様も良い と。経営理念に「お客様の役に立 つ会社を創る。」という言葉があるの ですが、社会貢献うんぬんとか言う 前にまずはこれに向き合おうという ことで取り組んでいます。そしてそれ を突き詰めていくと、総務だけではな く、お客様の本業、売上を伸ばすお 役にも立とうということになってきま した。総務だと経費を下げてうんぬんという話が中心になって、 損益計算書の販管費のところでちょこちょこやって終わってし まう。そうではなくて一番上の売上を伸ばすお手伝いをしようと いうことです。
本業を伸ばす、経営全般のお役に立つということになったら経
営コンサルでしょう。具体的なソリューションを我々自らが提供
する、実務を伴った経営ソリューションプロバイダー。これが、
我々が今後やっていくあるべき姿だと考えています。その時に、
SFAは実際に我々自身が使っていて、良い方に変わっていっ
たという実感がありますから、これを駆使した事によって我々が
こう変わりましたよ、それを同じように使って下さいという風に提
案できる。現にそれで、経営改革した訳だから、この実体験を
お客様にそのまま当てはめたいっていう事なんですよ。
IT投資をする際にはそのリターンが本当に見込めるのかという 点で二の足を踏むことがあります。実は我々も、OA機器などを 扱っていたのに、私が入社した当時はアナログ体質で、まだま だITリテラシーも低かったのです。それが今では還暦過ぎた社 員もしっかり使いこなしていますからね。そういうところから今に 至った実体験をお伝えしていくと、会える相手も変わってくる し、それまで例えば文具とかオフィス家具の三城としか見られて いなかったお客様から「三城さんは経営全般の事もやってて、 頼りになるんだな、何でも相談できるな」と言っていただける。こ ういうお付き合いを目指しています。
あとは、営業担当とサービス担当の連携がかなり良くなったと
思います。例えば何か機械のトラブルがあったのに、営業が何
も知らないで、自分のセールスばっかりしているとなったら、当然
お客様に怒られることになります。そういう時に、NIさんのシステ
ムから通知が来たりするから助かっています。サービス担当の
方がお客様への訪問頻度も高くて人間関係が出来ているこ
とも多いので、部門間の連携プレーが出来るのはいいですね。
それと大事なことが、人事評価の納得性が高まったことです。
本人の自己評価と他者評価のギャップが小さくなったと思うん
ですよ。なぜかというと、ちゃんと毎日見られているから。その人
の考え方や行動、両方を見た上で評価していますから。かつては、ただの結果論だけで評価していたから、担当顧客が悪いと
か、他のせいにしたりすることもありましたからね。
そうなんです。実際に試しに使ってみたりしたんですが、彼らの
SFAは、案件化して適切なプロセスを経てクロージングまで進
んでいるかという進捗管理や基幹系のシステムと連携して分
析するような点では優れているかもしれないですけど、一方で、
案件化する前の種まきの活動が見えにくいし、コメントのやり
取りをしようとすると情報が違う場所へ展開し、遮断されてし
まって、我々が一番重要視している人材育成という面では課
題がありましたね。弊社の場合、一件のお客様に何個も案件
が同時並行で起きる場合もあるし、それに対して営業だけでな
くサービス担当やネットワークの担当が動いたりして、横のつな
がりが大事なので、その点でNIさんの方が良いなと判断したわ
けです。私は、日報がすごく大事だと思っているんです。お客様
に一個何か売って終わりではなく、長年かけて、コツコツ顔を出
して、信頼関係を醸成して、お客様から頂いた情報を蓄積して
いくことで、商売が成り立っていますから。地道な種まき活動が
重要なんですよ。
札幌に支店もあるんだから、ちょくちょく顔を出していろいろ教
えてください。期待していますよ。
業種 | 導入年月 | 導入製品 | |
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システム販売業 | 2011年6月 |
株式会社三城 | |||
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本 社 | 〒060-0052 札幌市中央区南2条東3丁目10番地 三城ビル Tel 011-271-9311 |
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設 立 | 昭和44年12月8日 | ||
代 表 者 | 代表取締役社長 小川 博嗣 | ||
事 業 内 容 | 1.事務用品・消耗品 2.オフィス家具・建築附帯工事 3.OA機器・システム(販売・保守) 4.各種印刷・別製品 5.青写真・製本・デジタル業務 6.OA機器等のレンタル 7.建物清掃・整備及び各種設備機器の保守点検管理業務 |
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資 本 金 | 3,000万円 | ||
従 業 員 数 | 46名 |