建設現場に欠かせない「KATO」ブランドの建設機械で有名な株式会社加藤製作所様。SFAの導入から活用を中心に、HICOM事業部 営業統括部 営業戦略部の前田英智部長と、同営業業務部の香取聡兵課長にお話を伺った。
――2016年に弊社のSFAをご導入いただいたのですが、弊社のSFAの履歴にそれまでのご検討の経緯が結構残っていたり するのですが、導入前の検討経緯あたりをお聞かせいただけますか。
前田:そもそも最初は2007年くらいに検討し始めたのですが、それまでの紙の日報を載せ替えて訪問管理だけでなく引合いの管理がしたいという
のがスタートです。NIさんにもお声がけして提案してもらったりしたので履歴が残っているのだと思いますが、当時は、あまり費用もかけられないという話になって、某グループウェアを導入して日報と引合い管理を始めました。
――そうだったのですね。しかしグループウェアでは引合い管理などは大変だったのではないですか。
前田:そうなのです。われわれが扱っている製品は、けっこうオプションの種類がたくさんありまして。事前にものを仕込まないと作れないんですね。だいたい工場で生産する6カ月ぐらい前に部品を仕込まないといけないんですが、その部品の見込みの食い違いがどうしても起きるので、営業から事前にどんなものが必要なのかを吸い上げたかったわけです。オプションの部品を全部在庫して用意しておくわけにいかないんですよ。すごい数になっちゃいますから。
――パーツの単価も高そうですしね。
前田:一つの部品が1,000万円とかするものですから、この事前の見込みの間違いが結局、経営的なところに大きく響いてくることもあるんですね。当然、経営層や営業の上層部からは、その辺りの見込みデータを正確に工場に伝えるべきだというのが始まりだったのですが、グループウェアでは細かいことが管理できず、結局は絵に描いた餅になってしまって・・・。
――そうなんですね。はやく弊社のSFAを入れていただいていたら良かったのですが(笑)。
前田:いや、本当に大変でしたからね。引合いのデータは一応集めるのですが、それだけではよく分らないから、結局、担当者が営業マン一人一人に電話して内容を確認して、そこから資料を改めて作成して、「見通しはこれです」と工場側に伝えるのです。実際には忙しくて、いちいち電話なんかかけていられないとなって、その某グループウェアでは限界だという話になっていきました。
香取:そこですぐにSFAの検討に進まなかったのは、実は、すでに営業から製造までの一気通貫の基幹システムが2003年から動いていまして・・・。
――そういう仕組みがあったのならいきなりSFAとは行きませんね。
香取:あったのはあったのですが、その基幹システムではうまくつかめない情報があって、それを補う形で某グループウェアで情報を集めようということになったのです。それで中途半端になったのでしょうが、基幹システムとグループウェアのデータが連携しているわけではないので、二重管理になり、営業現場にしてみれば二度手間になってしまって、入力が徹底されない状況になっていたのです。
――基幹システムで作り込んでいるとすぐには改修も出来なかったりしますしね。
香取:そうこうしているうちに会社の統合の話もありまして、それぞれがまた基幹システムを持っていて、システム統合もしなければならないというタイミングで、まずは営業側の情報をキッチリ固めるために、今度こそちゃんとSFAを検討しようということになったのが、2015年辺りなのです。
――なるほど。そういうご事情があって、検討期間が長くなったのですね。
前田:SFAの検討では、3社に声を掛けました。海外資本の某社さんとNIさんと、もう一社、別の日本の会社ですが、そちらはすぐにお引き取り願いました。
香取:実は当時、私は現場の営業だったんです。ちょうど九州支店におりまして、もうNIさんだろうが、某外資だろうが、とにかく反対でした。
前田:もう、言うこと聞いてくれない・・・(笑)。特に各支店などは「なんで本部のために二度手間なことをしないといけないんだ」という
不満が溜まっていましたから、トップダウンで導入を推進しないと動きそうにないという懸念がありました。そこに、NIさんからの提案書が出て来て、上層部への啓蒙や説得も一緒にやりますよと書いてあって、力強く感じました。あとは導入後のフォローですね。担当コンサルタントの方が熱心に提案してくれて、これだったらフォローも安心だし、行けるのではないかと考えたのです。
香取:ちょうど、そのころ、ISOで顧客満足度を上げていくことテーマになっていて、上層部の意識も変わりつつあったのも大きかったですね。これくらいの費用で出来るならいいじゃないかと案外あっさりGOが出たのですが、担当コンサルタントさんの熱意がなければ、もしかしたらNIさんを選んでいなかったかもしれません。
――ありがとうございます。システムだけでは解決できない問題や課題がありますからね。弊社では生身のコンサルタントがフォローしてサポートさせていただいております。ところで、ご活用の方はいかがでしょうか。
前田:だいぶ定着して、上司のコメントも入るようになって、履歴や案件も溜まってきていますので、これがどれだけ効果があるか、どう「見える化」されるか今後が楽しみですね。
香取:今はまだNIさんがおっしゃる「報告書」から「連絡書」に上がってきた程度ではないかと思っているのですが、私は自分の経験も踏まえて、とても有効なツールだと考えています。何しろ、案件、物件の単価が大きくて、商談のサイクルが長いですから、この管理が徹底できるだけでけっこう大きな成果になると思います。私は見積書の裏に手書きでメモ
を書いて管理していたのですが、営業マンそれぞれが属人的に管理しているわけです。それがSFAで統一されて引継ぎも出来るようになると業績的にもプラスが大きいと思います。
前田:製品にもよりますが、単価が大きくて商談期間が長いですから。20年に1台とかもあるんですよ。買ったあと20年ぐらいは買ってくれないけれども、20年後にはまた入れ替えがある。その間、一切訪問しないということにもならないから、営業マンは代々引き継いで行くわけです。その代では買わないかもしれないけれども、次の代の営業マンの時、また次の代の営業マンの時に買うかもしれないという感じです。NIさんの言葉で言うと「観覧車」ですね。1周するのに20年かかる大きな観覧車です。その代わり単価は大きいから、取れると良いけど取れなかったら最悪です。
――それはSFAで管理する価値がありますね。競合に入り込まれた場合のリベンジも、何年、何十年というスパンになるわけですね。
香取:SFAを見ていると「一生懸命アプローチしましたが競合にやられてしまいました」みたいな報告が上がってきて、それを見た本部長が、もう少しこうしなさいみたいなアドバイスをするようなことがあります。これもNIさんがセミナーで言っておられる「フィードフォワード」にしていかないといけないと思っています。失注してからフィードバックしても、次のチャンスは当分先ですからね。「観覧車」を回しながら「フィードフォワード」でアドバイスする流れが出来るといいなと思いますね。
――「観覧車」と「フィードフォワード」、いいですね。いつもセミナーもご受講いただきありがとうございます。システムも使い方次第ですからね。 今後に向けて何か課題とかNIに対するご要望などはございませんでしょうか。
前田:やはり、まだまだ担当者のITリテラシーが低いので、ここを高めていかないといけないと考えています。業界的にもまだ紙の文化があったりしてペーパーレス化も遅れていますからね。メールなどの基本的なツールもうまく使いこなしているとは言い難い状況があります。
香取:あとは、今構築中なのですが、見積システムですね。オプションや部品の単価も大きいので、見積間違いを極力なくさないといけませんし。
――そこは是非AI見積でチェックさせてください。
前田:そうなんですよね。本当に桁間違って出した・・・みたいな話がありますからね。一応、承認者もいるのですが、やはり人間だとミス がありますね。AIで原価などもチェックしてくれるといいですね。
――桁違いのミスはもちろんですが、製品の組み合わせとかオプションの条件とか人間の頭では覚えきれないようなこともAIだと確実にチェックしてくれますから、弊社でも当然使っているのですが、あれは便利ですよ。
密連携しているグループウェア「NI Collabo 360」もご導入いただいていますから、承認経路なども細かく設定していただけますし、承認から発行のスピードも格段に上がると思います。
どんどん機能改善やバージョンアップをしておりますので、今後ともご期待ください。
本日はありがとうございました。