導入・成功事例

株式会社ベヒシュタイン・ジャパン様



ピアノのストラディバリウスといわれる、音の透明感が素晴らしいドイツ最大のブランドであり、世界三大ピアノブランドであるベヒシュタイン(C.BECHSTEIN)様。SFAの導入から活用を中心に代表取締役社長の加藤 正人氏に、ベヒシュタイン、スタンウェイ、ベーゼンドルファーの世界3大ピアノが揃っていることで有名な杉並公会堂でお話を伺った。

――御社の主要製品ブランドの「ベヒシュタイン」は世界三大ピアノの一つとのことですが、まず、ベヒシュタインについて教えて頂けますか。



加藤:ベヒシュタインは1853年にドイツで創業したピアノメーカーです。ドイツではピアノは工場で作られる工業製品ではなく、熟練の技術者であるマイスターがハンドクラフトで作る工芸品として捉えられています。ベヒシュタインピアノはクラシック音楽発祥のヨーロッパでは特に有名で、第二次世界大戦前はトップブランドでした。大正時代には日本のピアノメーカーの技術者がグランドピアノの製造技術を学びに来ていたという記録もあります。その後、ドイツが戦争で負けたことで、米国のピアノメーカーが台頭し、ベヒシュタインにも一時は米国資本が入っていた時期が続きました。しかし、近年新たにドイツのメーカーとして生まれ変わり、今に至っています。


――そんなに歴史のあるピアノメーカーなのですね。加藤社長は、元々ピアノの調律やメンテナンスも担当しておられるとのことですが、ベヒシュタインのピアノの特徴を教えて頂けますか。



加藤:弾き手の個性を活かすピアノだと思っています。声が人によって違うように、ピアノも弾き手によって変わるのですが、ベヒシュタインはこの個性が表現しやすくなっています。またピアノ本来の様々な音色を非常にクリアに表現できる点も特徴です。


――なるほど、興味深いお話です。そんな御社が弊社の可視化経営システムをご利用頂いているのですが、導入頂いた経緯をお聞かせ頂けますか。



加藤:最初に問い合わせをしたのは2010年ですが、しばらく間があき2016年に運用を開始しました。弊社のお客様は楽器店のような法人客と、プロのミュージシャンから一般の愛好家の方を含めた個人まで多岐に亘ります。そうした中で当時は別の仕組みを使って、日報報告や顧客管理を行っていました。日報はPCで作成したものを印刷し回覧するという運用です。お客様が増え、社員も増えていく中でこうした帳票類も増えて、管理も大変になり、収拾がつかなくなっていたのです。また、当時導入していたソフトではバージョンアップの度に追加費用がかかるのも難点だと感じていました。そうした中で以前から問い合わせをしていた御社のSFAを導入しました。


――導入頂いて間もなく丸5年となりますが、ご利用頂いて如何でしょうか。



加藤:まずは日報のスピードが格段に上がったことが大きいと思います。弊社はショールームに社員が分散しているため、以前のやり方では、担当者が作成した日報を社内回覧して、本人の手元に返ってくるまでに大分時間がかかっていました。SFAでは作成も確認も場所もPCやスマートフォンなどの端末も選ばずに行うことができます。私も外出が多いので非常に助かっています。


――顧客管理の面では如何ですか。




加藤:日報から登録した情報が蓄積され、それらを確認するようになりました。弊社ではピアノのショールームに飛び込みでお客様が来店することがあるのですが、SFAで履歴を見てみると他の担当者が対応中のお客様であることが分かるということがよくあります。お客様対応をする上で非常に役立っています。また個人のお客様はピアノをご利用頂く期間が長く、買い替えには20年から50年かかります。中には三世代に亘って、弊社製品をご利用頂いている方もいらっしゃるので、お客様との履歴は非常に重要です。
また、代理店の皆様の中には、ベヒシュタインピアノのメンテナンスができる技術者の方々の会があります。こうした方々はベヒシュタインのファンになって頂くことが多く、ベヒシュタインをお客様に広めて頂くことができます。この方々との対応履歴や、これまでどのような研修を受講頂いているかもSFAで分かるようにしています。



――営業の皆様には弊社の「ストラテジックセールス」という営業研修をご受講頂いておりますが、お役に立てていますか。



加藤:SFAから売上見込対策をするという意識の変化がありました。最初は日報を登録しているだけだったのですが、見込案件の管理をSFA上で行うようになりました。弊社のピアノは車一台分位の価格がしますので、お客様も購入までには比較・検討をされます。長期に検討される方もいれば、しばらくして急に購入のご決定を頂くようなこともありますので、売上見込は読みづらい所があります。SFAでこうした案件の見込情報を日報から登録することで、SFAで売上見込管理を行うという変化が出てきました。



――ストラテジックセールスの観覧車管理ですね。実践をして頂いているようで何よりです。



加藤:また、お客様に対してメール配信を行うApproach DAM(アプローチダム)も便利です。弊社では音楽イベントの案内やお申込みの管理を行っています。メール文面の中に弊社のWebサイトのURLを登録しておくと、それを見たお客様がWebサイトにアクセスをして頂くので、Webサイトのアクセス数が増えています。

――面談以外のお客様接点も増やしておられますね。弊社では今年はコロナ対策の一環として、「コンタクトレス・アプローチ」という手法をWebセミナーや書籍で展開しておりますが、御社では如何ですか。



加藤:コロナウイルスの影響は受けています。お客様がピアノのご購入を検討する際に、ショールームで試弾をして頂くことが多いのですが、ショールームに来場頂くのが難しくなりました。そうすると、購入のご検討が止まってしまうのです。「ショールームに行けるようになったらでいいか」、と。我々はそれでは困るので(笑)、オンライン試弾に取組みました。弊社の社員がショールームから様々な曲をピアノで弾いて、それをオンラインでお客様に聞き比べて頂くというものです。実際に来場頂くのに比べてオンラインでは音質が落ちてしまうので、色々と試行錯誤をしました。今ではリアルに聞いて頂くのと比べて遜色が無くなりました。オンライン試弾ができるようになったことで、購入のご検討も進むようになりました。
現在、検討中の取り組みはオンラインイベントの開催です。ピアノのリサイタルを自社配信で行うことができるようになると、集客力もアップすると思っていますが、なかなか難しくて(笑)。
現在研究中です。

――なるほど。それは面白いですね。オンライン試弾というステップがあると、遠方のお客様にも試弾の敷居が下がるかもしれませんね。ところで、弊社に対するご要望をお聞かせ頂けますか。



加藤:NI Collabo 360をもっと活用したいと思っています。機能が沢山あるのですが、自分達だけで取り組もうとすると最初は時間がかかってしまって。新しい機能を利用する際のフォローをして頂けると助かりますね。

――御社では拠点が多いので、申請業務はワークフローがお役に立てます。また、ご出張も多いと伺っていますので、経費精算をご利用頂くと、精算業務が大分改善されると思います。
2021年度はオンラインの研修も充実させますので、ご支援致します。
最後に、今後の事業展開をお聞かせ下さい。



加藤:ベヒシュタインを以前のように、専門家・高級ピアノ分野での世界のトップブランドにしていきたいと考えています。日本国内のピアノの市場も変わってきています。我々の関わるアコースティックピアノと呼ばれる分野は、以前は年間20万台販売されていました。しかし現在は年間2万台です。替わりに伸びているのがデジタルピアノの分野です。そうした中でベヒシュタインはピアノの愛好家・プロの方々に向けて、特色のあるピアノを提供していきたいと考えています。プロのミュージシャンの方々にも試弾をして頂くことで、他のメーカーのピアノから乗り換えて頂くことも増えています。弊社のピアノは中規模から小規模の音楽ホールで特に良さを発揮するので、そうしたホールで利用頂き、聞いて頂く方を増やしています。最近では音楽大学へのピアノの貸し出しを始めています。音大生にベヒシュタインのピアノに触れて頂くことで、良さを実感頂きたいという思いです。貸し出しからご購入につながるという動きも出ています。
また今後、拠点の統合化を検討しています。よりブランド認知度を上げるための取り組みです。ヨーロッパの主要都市であるベルリン、パリ、プラハにはベヒシュタインセンターを開設していますが、ブランドイメージを考えたディスプレーと、お客様が訪問し試弾をしやすい環境を整備し、認知度向上、販売増に成功しています。日本でもベクトルを更に整合させ、取り組んでいこうと思っています。

――ベヒシュタインブランドが日本国内で益々浸透し、ファンが益々増えていきますよう、お力になりたいと思っております。
本日はお時間を頂き、ありがとうございました。


導入製品

業種 導入年月 導入製品
輸入販売業 2016年10月

 ✔  Sales Force Assistant 顧客創造R

 ✔ NI Collabo 360

 ✔ Approach DAM


企業概要

株式会社ベヒシュタイン・ジャパン
本     社 〒157-0061 東京都世田谷区北烏山9-2-1
創     業 1987年(昭和62年)
代  表  者 代表取締役社長 加藤正人
事 業 内 容 C. Bechstein、W.Hoffmannのピアノ輸入販売(卸・小売販売)、ピアノメンテナンス(調律、修理、調整等)