導入・成功事例

清水食品株式会社様



鈴与グループの食品事業会社として、ツナやサバなどの水産商品、果実・農産商品の製造販売から始まり、現在では、温製・冷製スープ、パスタソースなどの調理品まで幅広く手掛け、食への飽くなき探求心でさまざまな新商品を世に送り出している清水食品株式会社様。今回は、ソリューション本部 川原 直樹常務取締役にSFAの導入、運用についてお話を伺った。

――御社は缶詰をはじめ、色々な食品を販売しておられますね。



川原:弊社は静岡の鈴与グループの食品メーカーです。1929年に創業し、日本で初めて鮪油漬缶詰を本格的に製造し、アメリカに販売を始めました。その後、ミカンの缶詰の輸出、ツナやサバ等の缶詰、スープやパスタ ソースへと事業領域を広げています。2008年からはキャンベルスープの国内総販売代理店(沖縄以外)の契約も結んでおり、全国展開をしています。最近では、他の食品メーカー様とのコラボレーション商品も作っています。特にカレーで有名な中村屋さんとのコラボ商品のサバカリーはヒット商品になっています。


――中村屋さんも弊社のクライアントなのでサバカリーのコラボは嬉しいです。美味しいですしね。やはり営業先としては、スーパーのような量販店の販路が中心なのでしょうか。



川原:量販店が多いですが、他にも外食産業向けの業務用や、量販店・外食産業・他の食品メーカーの自社ブランド品の製造受託をするOEM用途の営業もしています。


――色々な販路をお持ちなのですね。そうした多様な販路への営業を行う御社で、弊社のSFAを導入頂いた経緯を教えて頂けますか。



川原:導入したのは2012年です。私の前任の常務の時代に採用しました。導入当初はまずは日報登録をしっかりしようと言っていたことをよく覚えています。


――量販店チェーンのように広いエリアで展開している先ですと、担当者間の情報共有は重要ですよね。



川原:その通りです。本部の内容をエリアで展開することや、ある店舗でうまく行った事例を、他の店舗でも展開するというスピーディーな動きが重要なので、日報の共有もテーマでした。一人の担当者で全国チェーンのフォローは難しいですから、個人だけでなくチームとしての動きが重要ですので。最初の数年間はそれでやっていたのですが、実は私が営業を統括する今の立場になった時に、SFAの見直しをしました。日報だけで良いのかと(笑)。他の会社の運用も見てみたり、色々と本も読みました。その中でSFAに取り組んでいないと5年後には競合他社に勝てなくなるという思いもあり、改めて、危機感を持ちました。結果として、NIさんのSFAでまだまだできることがあるという結論に達し、運用見直しをしました。



――最近はどんなことを取り組んでおられますか。



川原:日報の共有から一歩踏み込んで、店舗訪問時の売場写真を商談に登録して共有することは定着してきました。やはり写真を共有する効果は高いと思います。また、特定の顧客のグループに関する商談は、製造・調達・開発部門にも共有をしています。できる営業担当者の日報共有も重要ですね。



――製造部門との共有はいいですね。営業活動も大分、可視化されてきていると思いますが、どんな点を見ておられますか。



川原:訪問件数は見ています。改めて集計せずとも分かりますね。FAXやメールなど、訪問外のやり取りも見ています。また、販売先によって重点施策も異なりますので、それぞれの重点施策の実施状況もSFAから見ています。例えば、量販店向けの営業では、店舗の売り場での施策実施状況を見ています。外食向けの業務用では、人に関する情報が重要なので、そうした情報が把握できているか、と言った所を見ています。



――確かに、お客様の業種業態で営業のポイントとなる所は違いますからね。



川原:今後、より力を入れて取り組みたいのが案件管理です。これまで色々と案件管理を試行錯誤していたのですが、やっとSFAでも取り組むことができる目途が立ってきたので、ぜひ取り組みたいと考えています。


――研修も受講いただきましたが、ストラテジックセールスの成功の観覧車、実践しておられますね。


川原:SFAでは、まだまだ取り組みたいことがあります。お恥ずかしながら入力内容についても、案件管理も部門・個人差があります。加えて、SFA導入研修や長尾社長の書籍でも触れられている次回予定の入力率向上もまだまだだと思います。しかし、それも成長の余地があるということなので、しっかりやっていきたいと考えています。


――意欲的ですね。ところで、御社ではコロナ禍の早い段階で、全国の営業部門の皆様に「コンタクトレス・アプローチ」の社内研修を受講頂きました。実施状況は如何でしょうか。



川原:非常に役立っています。弊社の営業拠点は東日本寄りで、西日本は大阪が一番西の拠点です。中四国・九州へもっと営業をしたいのですが、物理的に遠いのが悩みでした。また物流も同様に東日本からの発送となるため、競合企業と比べると不利な点がありました。そうした中で、新型コロナの影響でリアル訪問が難しくなったことが、逆にチャンスとなりました。遠方の先に対しては、コンタクトレスのWeb会議をフル活用して提案を進めています。また、弊社の生産拠点は宮城県や福島県にあります。リアル営業主体の頃は、製造部門の担当者を商談に同席させるということは難しかったのですが、コンタクトレス・アプローチであれば、製造部門の担当者も同席しやすいので、製造・販売一体の営業がしやすくなりました。営業プロセスが変えられたのは大きな変化です。リアル訪問、Web会議どちらかだけではなく、両方の良い所を取り入れて、効果を高めることができていると思います。



――研修を受講頂いて良かったです。川原常務は色々と意欲的に取り組んでおられますが、他にお考えになっている取組はありますか。


川原:名刺情報の管理もSFAでしたいですね。連携できる名刺管理ツールがあると紹介頂いております。



――名刺バンク2ですね。改めて紹介させて頂きます。


川原:マネジメントの面では、長尾社長がセミナーで言っておられるフィードフォワードコメントをマネージャーができるようにしていきたいと思っています。



――よくセミナーを聞いていただいていますね。コメントについては、マネージャーのコメントを後から見る二段階OJTを意識していただくと良いと思います。


川原:今後は営業部門以外にも、SFAの情報を展開したいですね。



――御社のような製造業では、オプションツールの「顧客の声」が特に効果が高いと思います。製造・調達・開発部門の方々が営業部門のように日報の内容に目を通すというのは難しいと思いますが、「顧客の声」だけであれば、見る量の負担もそれ程でもないことと、何より、普段は目にすることが難しいお客様の生の声を聞くというか見ることができます。運用上のポイントですが、登録する営業部門では、営業担当者の声ではなく、お客様の生の声を登録することです。そしてご要望のある理由や背景も登録しておくことが大事です。一方で、声を見る側は、必ず反応することが大事です。全部対応することは難しいにしても、少なくとも検討したというフィードバックは重要です。最近のバージョンアップで、顧客の声に対する対応履歴が顧客の声を登録した担当者に通知されるようにしていますが、こうしたリアクションが大事なのです。弊社でも、通常の製品開発とは別プロジェクトで「顧客の声」対応のプロジェクトを継続的に動かしています。


川原:なるほど。弊社ではSFAと別に、ヒアリング表でお客様への聞き取りを行っていましたが、そのような取り組みを行うと良いですね。これも取り組んでみたいと思います。



――営業部門だけでなく製造部門にも広げていくことで、更なるヒット商品の開発にもSFAがお役に立てることを願っております。本日はお時間を頂き、ありがとうございました。

導入製品

業種 導入年月 導入製品
製造業 2012年5月

 ✔ Sales Force Assistant 深耕創造

 ✔ 顧客の声


企業概要

清水食品株式会社
本     社 〒〒420-0859  静岡県静岡市葵区栄町1-3 鈴与静岡ビル3F
TEL : 054-221-8520(代表)
設     立 1929年12月8日
代  表  者 代表取締役社長 宮崎 晋一
事 業 内 容 果実缶詰、蔬菜缶詰、調理缶詰、レトルトパウチ、カップ容器食品、寒天の製造・販売