1972年(昭和47年)に設立し、以来、業界のパイオニアとして、医療・介護福祉分野における食事サービスの提供に携わっている富士産業株式会社様。SFAとNIコラボの導入から活用を中心に、営業本部 緒方 加代子執行役員と営業本部 新田 美香部長 と営業本部 宮本 綾子課長にお話を伺った。
――御社の事業紹介では「医療・介護・福祉食事サービスのパイオニア」とありますが、事業内容について教えて頂けますか。
緒方:弊社では病院や介護福祉施設等で、患者様や利用者様に提供される食事サービスの提供を施設に代わって運営を行っています。食事サービスを行うのは時間とコストがかかります。弊社ではそうした食事サービスを皆様から受託して事業を行っています。
――院内及び施設内の食事サービスのアウトソーシングを行っているというわけですね。
緒方:その通りです。弊社は1972年1月に設立し満50年を迎えました。この業界は大手と言われる企業は10社程度ありますが、弊社は多角経営をせず、この事業に特化して取り組んできました。そうしたことから業界の「パイオニア」として自社の紹介をしております。
――こちらの会議室に飾られている富士山の絵も社名に関係があるのでしょうね。
緒方:おっしゃる通りで、この分野での日本一の富士山を目指すという意味が込められています。
――営業をしていると、同業他社との違いという質問をされると思いますが、御社の特長はどのような所だとお考えですか。
緒方:食事サービス自体は、同じコストであればそれほどの差はつけられません。弊社では喫食者にとって重要なのは、衛生管理・危機管理だと考えています。もちろん、新型コロナウイルス感染症対策も重要ですが、それ以上にノロウイルス対策が重要です。弊社ではこうした対策を重視しており、5年以上、事故は起こしていません。弊社は労働集約型の仕事ですので、お客様から頂く委託料は人件費の割合が高くなるのですが、衛生管理・危機管理対策のための労務管理や人財教育に力を入れています。
――なるほど、重要な取組をしておられるのですね。
それでは、御社でSales Force Assistant(以下、SFA)をご採用頂いた経緯について教えて頂けますか。
宮本:2014年頃、当時、営業の属人化が問題となっていました。属人化解消のためにも、営業拠点と営業本部で色々な営業管理の資料を作成していたのですが、段々と煩雑になって手間のかかる割に営業現場での効果がどうなのか、ということで営業管理・顧客管理の方法について調べ始めたのが最初のきっかけです。
――ご導入頂いたのが2020年ですから、間が空いていますね。
緒方:営業部門だけでなく、他部門との連携も含めた検討をしており時間がかかりました。私は営業本部配属となる前は、地方で営業をしていまして、営業担当の立場で「こうしてもらえると助かる」といった話を営業本部へしていました。特に営業担当として欲しかったのは他の地域でどのような営業をしているか、競合の動きがどうかといった情報でした。弊社のように全国展開をしている他社が全国でどのような動きをしているかといった情報は、各地域ではわかりません。そうした経験をしていたため、営業本部配属となってからSFAのようなツールは重要だと感じました。更に、検討の進んだきっかけは新型コロナウイルス感染症です。弊社のお客様は医療機関が多いので、2020年に流行したことで、従来型の対面営業が非常に難しくなりました。また、医療機関毎に新型コロナウイルスへの対応状況も異なっているため、市場の動きを全社的に把握した上で対策を打つ必要性が増しました。こうした変化が検討の後押しになり、比較・検討の上、SFAの導入に至りました。
――ご利用いただいて、いかがでしょうか。
新田:少しずつですが、効果が分かってき
たという所です。弊社の営業は新規開拓型の営業です。医療機関の皆様から業務受託を行うため、短期でも商談開始から半年、通常は数年かかります。SFAで日々、商談、日報を登録している中で、まずは商談履歴の効果が分かりました。営業の属人化という部分でお伝えした通り、弊社では営業の担当替えはあまり行わずに長期で対応する方針としているのですが、その分、その人にしか分からないということが多くありました。しかし、SFAで商談履歴が蓄積されてきたことで、その人以外でも見込先やお客様のことが分かるようになりました。私は営業本部の立場で、各地域の営業同行をすることが多いのですが、SFAを事前に見ていくことで、「これまでこういう経緯で今に至ったのだな」「プレゼンの時は、こう進めると受け入れやすいのでは」と商談の効果を高めるのに役立っています。
緒方:運用開始からしばらくは、私も全拠点の担当者にコメントをしていました。定着していくにつれてコメントは減らしていますが、コメントのやり取りは重要ですね。社内でこうしたコミュニケーションをすることはお客様とやり取りをする上でも活きると思います。
最近、感じるのは拠点間の情報共有の質が変わったということです。弊社は地域密着サービスを重視しており、拠点数が他社の倍あります。医療に対する方針も自治体単位で異なることもあるため、隣県でも、ニーズが全く異なるということがあります。それだけ、その地域・人での対応が重要となるということなのですが、反面、他のエリアの状況が分かりづらいということにつながっていました。しかし、SFAによって本部経由でない情報共有が増えてきています。ある担当者の大型案件の進捗状況を、他の担当者が知っており、成約に向けて情報交換をするということが増えてきているのです。営業では営業現場の情報が重要なのだと、改めて実感しています。
――まさにSFAを利用して、営業のあり方が変わってきていますね。
緒方:また、「キャンペーンダービー」機能は面白いですね。商談や案件などで、キャンペーンダービーを使って競争しているのですが、意外にもベテラン社員が燃えています(笑)。社員の競争意識を刺激しているのだと思いますが、SFAを推進するのにも役立っていると思います。
――御社のカラーが出ているのかもしれませんね。ご利用いただいている中で弊社へのご要望はありますか。
緒方:アシスタントの衣装やアイテムがもっと欲しい、という声を聞きます(笑)。登録をするとエネコインが貯まっていくので、オプション設定のショップでアイテムを購入する社員が多いです。新しく増えたマスクも購入している社員がいますが、更にバッグやキャップのようにバリエーションが増えるとより楽しみながら取り組めると思います。
――マスクまでご利用頂いているのですね。弊社の開発担当者も喜んでいると思います(笑)。他にお気づきの点はありますか。
宮本:営業担当者の差も見えるようになりました。SFA導入研修で教えていただいたように推進をしていますが、営業成績の良い社員はSFAにも前向きで、自分の訪問実績や成果の検証にも積極的です。
緒方:SFAの今後の課題にもなるのですが、これまではパソコンや携帯のような備品は一律に支給をしてきました。しかしこれからは、成績が良く前向きな社員にはより便利な環境を提供し、そうでない社員にはそれなりにという風に差をつけていくことも大事ではないかと考えています。
――前向きな姿勢で差をつけていくというのは大事ですね。最後に今後の課題をお聞かせいただけますか。
緒方:会社として今春から新たに人事評価制度を導入しました。営業の課題としては、人財育成が重要です。弊社ではここ数年若手の営業担当者の採用を強化しています。若手が増えたことで世代間のギャップを感じることも増えています。特に感じるのは従来、自分たちが感覚的に取り組んでいたことが、若手には同じようには通用しないということです。若手社員に通じるようにするのは、目で見て分かる、理屈でわかるという風に教えていくのが重要ではないかと考えています。こうした中で営業現場が可視化できるSFAは人財育成ツールとしても有効だと感じています。今後も人財育成を促進していく上で、ますます重要になると思いますので、更に活用度を上げていきたいと思っています。
――ぜひ今後もお役立て下さい。
本日は貴重なお時間をいただき、ありがとうございました。
業種 | 導入年月 | 導入製品 | |
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サービス業 | 2020年6月 |
富士産業株式会社 | |||
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本 社 | 〒105-0004 東京都港区新橋5丁目32番7号 TEL : 03-5400-6111 |
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代 表 者 | 代表取締役 中村 勝彦 | ||
事 業 内 容 | 医療機関、介護・福祉施設、学校、会社等の食事提供業務受託事業、レストランの経営売店の経営、厨房設備のプラン、レイアウト等および厨房機器の販売、食品の販売医療・介護福祉経営に関するコンサルタント事業 |