「誰もがすこやかに暮らせる社会の実現の為に」という企業理念のもと、介護・福祉・医療施設向けパッケージソフトの開発・販売・保守を中心に事業展開しているトータルヘルスケアシステムカンパニーのエヌ・デーソフトウェア様。今回は、常務執行役員 営業本部長 水野 隆一氏にお話を伺った。
――御社のホームページを拝見すると介護ソフトウェアトップシェアとあります。事業内容をご紹介いただけますか。
水野:当社は介護・福祉・医療現場で働く方々の仕事の省力化・円滑化を支える業務支援ソフトウェアの開発・販売・運用サポートを行っています。近年は障がい者福祉・児童福祉へと広げており、全国6万事業所でご利用を頂いています。国内で対象となるのが21万事業所ですので、24~25%のシェアがあることになります。
――介護の業務支援ソフトは他にもあるようですが、御社の特長は何でしょうか。
水野:この業界は大手が何社かあります。特定の業務や在宅・介護分野のみに特化している所が多いのですが、弊社の特長は業務や分野を問わずフルラインナップで対応している所です。まず一つの業務から始めていただき、段々とご利用範囲を広めていただいたり、業務全体でご採用をいただいたりということがしやすいのがフルラインナップの強みだと考えています。
――お客様にとって、このシリーズを導入しておけば安心というのは良いですね。そうした御社で可視化経営システムをご検討いただいた経緯を教えていただけますか。
水野:NIさんのようなパッケージソフトを利用する前からシステムを利用した営業管理は行っていました。NI導入前の営業支援システムは、他社のパッケージソフトを利用していました。最近ではWebマーケティングや社内から電話やWeb会議システムで行うインサイドセールスに力を入れているため、マーケティングオートメーション、いわゆるMAツールも導入していました。
――さすがに色々なお取組をしておられますね。
水野:はい。しかし、問題がありました。一つは色々なツールはあるものの、それぞれの部門・業務で別々に運用されていて情報が分断されていたということです。もう一つは営業支援システムです。営業が利用していたのですが、専ら案件管理を行うものとしての利用に留まり、運用が徹底されていませんでした。
――「運用が徹底されていない」とは、どういうことでしょうか。
水野:その営業支援システムを利用する前は、日報で商談記録を残すという習慣ができていたのですが、その営業支援システムでは案件の進捗管理が中心になってしまい、商談記録は後回しになりがちになり、結果としてお客様とのやり取り内容を商談に残すという習慣が薄れていったのです。商談記録と案件管理は両方必要なのですが、この点が問題でした。こうした中で、何か良い方法・システムが無いかと探している中で、御社のことを知りました。また、調べてみると、Webの問い合わせ対応から、顧客対応、サポート対応まで網羅できそうだということが分かり、御社に導入を決めました。
――可視化経営システムはまさしく、顧客に関わる対応全てを見える化するシステムです。お声掛けいただいてから、スムーズにご決定いただいたのには、そういう背景があるのですね。
水野:検討途中には色々なことがありましたが(笑)。
――ところで、Webマーケティングやインサイドセールスというお話が出ましたが、どのような取組をしておられますか。
水野:もともとWeb対応やインサイドセールスはやっていたのですが、新型コロナ感染拡大がこれを後押ししたと思います。2020年の上期は最初の非常事態宣言が出て、従来型の訪問営業ができなくなりました。弊社のお客様は介護・福祉・医療業界ですので、特に対応が厳しかったと思います。
――確かにそうですね。
最後に、今後弊社に期待することや、新たな取組みでお考えの内容についてお聞かせいただけますか。
水野:2020年度の上期は顧客対応も難しくなったことで業績にも影響が出ました。しかし、お客様も職場で仕事がしづらくなったため、自宅で仕事をすることが増え、Web会議システムでのやり取りも増えました。お客様も弊社もそうした環境に慣れてきたのでしょう。2020年度の下期にはWebサイト経由での引合いや商談が増え、業績は急回復しました。
――Webサイトからの初期対応ということでは、可視化経営システムではApproach DAMが該当しますが、お役に立てていますか。
水野:役立っています。弊社ではインサイドセールス部門がありますが、インサイドセールスの利用するApproach DAMと営業担当者が利用するSFAが連携しているため、Web経由の問い合わせから初期対応、営業担当者によるクロージング、受注対応までの一連の流れが非常にスムーズになりました。本格的に取り組んで2年になりますが、全体に対するWeb経由の受注の割合が急増しています。
――営業部門ではSFAはお役に立てていますか。
水野:部署や拠点で大分差がありますね(笑)。まだまだ使いこなせていないという営業所もあります。一方である営業所では、商談、案件管理での利用は定着して、年度の営業施策の進捗管理にまで活用しています。こうした施策は決めた後の進捗管理を行って徹底するが重要ですが、そこまで踏み込んで利用しています。
――それは大分進んだ活用ですね。
水野:いかに経営目線で日々の業務に組み込めるかがポイントだと考えています。
――ぜひ全社に展開をいただきたいと思います。話は変わりますが、国内は高齢化が進みます。御社の業界は今後も拡大が見込まれるのではないかと思いますが、展望をお聞かせいただけますか。
水野:介護サービスを中心に、高齢化に伴い需要が拡大するのは確かだと思いますが、介護負担費用の大本は税金です。従って、人口や生産年齢人口が増えなければ、介護負担費用も増加しません。従って、市場も今後は横ばいから減少していくというのが業界関係者の見方です。介護関連のソフトウェアを作っている同業者も大分淘汰されてきています。そうした中で弊社はよりシェアを高めていきたいと考えています。
――人口減少社会では職員も不足していくと思いますが、介護業界ではいかがでしょうか。
水野:おっしゃる通り、介護職員不足は大きな問題になると思います。例えば、職員の皆様の負担になる業務の一つに夜間の巡回があります。入居した利用者の方々が安静にしておられるか、夜間に巡回をして確認をするのですが、こうした業務のご負担を少しでも減らしつつ、利用者の皆様の異常察知を効率的・効果的に行うためにVital Beats(バイタルビーツ)という見守りセンサーを販売しています。
――これはどのようなものなのですか。
水野:弊社の本社がある山形県の山形大学発のベンチャー企業様が開発したものですが、マットの下に敷くだけで、利用者の方々が起き上がる準備や起き上がったタイミングでセンサーが作動し、即報が出ます。即報は弊社のCare Patrol(ケアパトロール)という監視システムに通知されます。こうすることで、利用者の方々のベッド上の状態、心拍・呼吸、睡眠状態等がPCやタブレットで確認ができるため、効率的な巡回やサービス提供にお役立ていただけるようになっています。
――御社ならではの素晴らしいサービスですね。最後に弊社に対するご要望がありましたらお聞かせください。
水野:Appcoach DAMとSFAに関しては、当初考えていた部門間の連携は見込が立ってきました。現在はサポート部隊まで利用部門も拡大をしてきていますので、更に活用していきたいと思います。ワークフローは現在、これまで利用していたものからNICollabo 360に移行の準備をしていますが、申請内容によって「緊急」の設定や通知ができると良いですね。沢山の通知が来ると埋もれてしまうことがあるので。更に承認期限が近づいてくると、通知が来ると言った機能もあると良いと思います。
――ご要望もいただきありがとうございます。今後も御社の益々のご発展のお力になりたいと思っております。
本日はお時間をいただきありがとうございました。
業種 | 導入年月 | 導入製品 | |
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システム販売業 | 2021年5月 |
エヌ・デーソフトウェア株式会社 | |||
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本 社 | 〒992-0479 山形県南陽市和田3369 TEL : 0238-47-3477(代表) |
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代 表 者 | 代表取締役社長 丹治 朋之 | ||
事 業 内 容 | 福祉・医療関連オリジナルソフトウェアプロダクトの企画・開発・販売およびソフトウェア運用支援・ソフトウェア保守サービス。自社開発の福祉業務支援ソフトウェア「ほのぼの」シリーズの販売および運用サポート。 |