導入・成功事例

昭和電器株式会社様



1932年に創業以来、ライフラインを支えるガス・水道メーターなどの計量器部品製造を基幹とし、プラスチック成形加工から各種金 属の機械加工、アセンブリーに至るまで、一貫した自社内生産体制のもと、お客様のご要望に適した製品をお届けしている昭和電器 株式会社様。今回は、代表取締役社長 滝澤規雄 様、事業企画室 執行役員 本田敬一郎 様、業務部 業務課 次長 脇島誠一 様 にお話を伺った。

――今回インタビューさせていただくに際して、改めて御社のWebサイトを拝見しました。以前と比べると、動画サイトのリンクがあったり、かなり分かりやすくなっておられると感じました。改めて、事業内容をお教えいただけますか。



滝澤:弊社は1932年設立の製造業です。皆さんのご自宅にもガスや水道メーターがあると思いますが、その中にある計量器の部品を製造してきました。計量器の部品も時代と共に変わっています。以前は金属で作ら れていた部品が、プラスチックに代替されたり、金属とプラスチックの組み合わせでできるようになっています。計量器の完成品メーカーに対して、こうした部品を製造し納品しています。製造拠点は本社を含めて国内に3か所あります。


――ガスメーターや水道メーターで使われている部品ということは、需要は継続的にありそうですし、事業は安定しておられるのではないでしょうか。そのような御社が弊社に関心をお持ちになったきっかけをお聞かせいただけますか。


本田:きっかけは、営業をしないといけなくなったことです。弊社の取扱部品はこれまでの計量器では需要は底堅くあるのですが、近年スマートメーター化が進んでいます。スマートメーター化が進むと、計量器の構造自体が変わります。ゆくゆくは弊社の部品が不要になるかもしれないという危機感が強くなったのです。


――それは深刻ですね。



本田:私はもともと技術畑でしたが、2015年に営業部門の責任者になりました。ミッションは新規顧客の開拓です。それまでの特定の顧客への対応ではなく、新規開拓という今まで取り組んだことのないことを行うことになったのです。



――それは、かなりご不安だったのではないですか。



本田:その通りです(笑)。ですから営業について本やネット、セミナーなどで研究しました。そうした中でNIさんのことを知り、ホームページを見ました。私が良いと思ったのが、製造業での可視化経営コンサルティングに関する内容でした。営業戦略をバランススコアカード(BSC)の考え方で可視化し、KGI(結果指標)、KPI(日課指標)で進捗を管理するという考え方に共感しました。自分達に合っているのではないかと。それからNIさんの可視化経営コンサルティングに関するセミナーやオープン研修に参加するようになったのです。



――ありがとうございます。その後、可視化経営システム(以下、 VMS)を導入しておられますね。


本田:可視化経営コンサルティングの考え方は分かってきたので、まずは営業部門でSFA・SQAを導入し、スケジュール、顧客情報、見積情報といった営業現場を可視化することから始めました。その後、可視化経営コンサルティングを実施して戦略マップ・スコアカードを作り、MapScorerでKGIやKPI管理に取り組んでいます。営業が組織的に動いていくという点で変化が出てきていると感じています。



――御社では、弊社のコンサルティングを上手に取り入れておられますね。その後は非営業部門でNI Collaboを展開しておられますが、導入の経緯を教えていただけますか。



脇島:弊社では営業以外の社員が多いのですが、それまではグループウェアのような社内の情報の仕組みはあ りませんでしたので、徐々に広げていきました。最初はスケジュールの共有からです。その後、稟議をワークフロー化しました。ワークフローは対象となる書類の種類が増えていき、今期は利用対象も広がり、浸透してきています。営業が先行して取り組んでいたことで展開がしやすかったことと、SFAは幹部社員がいつでも見ることが出来るようにしていたことが、定着の上で良かったのではないかと思います。



本田:ワークフローを導入した際には、業務の見直しを行いました。そもそも今までの申請経路は正しかったのか、といった自社の業務の見直しを行うことが業務改善にもつながったと思います。



滝澤:本社で取り組んで、その後他拠点にも展開するという手順を踏んだことが弊社には合っていたのではないかと思います。VMSを導入したことで、見たい・知りたい情報を探すストレスが無くなりました。それまではいちいち人に聞かないと分からなかったようなことが整理されていると感じます。



――VMSもお役に立てているようで何よりです。ところで、御社で取り組んでおられる新規事業も説明いただけますか。


滝澤:昭和電器では完成品に収める部品を製造していますが、自社ブランド品を作るために色々と試行錯誤をしてきました。


――弊社でも、中期ビジョン策定コンサルティングで新規事業検討のご支援もいたしましたが、皆さん熱心に取り組んでおられました。その後の状況はいかがですか。


本田:私は営業部門の責任者となった後に、新規事業開発の専属となりました。そこで昭和電器の子会社として、Miaomada(ミアオマーダ)という会社で、自社ブランド品を製造・販売しています。



――どのような製品を作っておられますか。


本田:現在、売れているのが「ストレージボックス」という製品です。これは通称トレカと呼ばれるトレーディングカードを保管するためのものなのです。内側のプラスチック部分は自社で製造しています。X(旧ツイッター)でバズってヒットしました。Amazonや玩具関連の売場で販売をしています。


――なるほど、プラスチック成形の技術を活かした製品ですね。



本田:最初に作ったのは「プロテインディスペンサー」という製品です。トレーニングジムに通う方は身体を鍛えるためにプロテインの粉末を溶かして飲みます。私もジムに通っており、プロテインを飲むのですが、このプロテインの粉末量を正確に測るのが意外に手間だったり、粉末が飛び散って周囲が汚れたり、と困っている方がいることからヒントを得て開発をしました。


――これはクラウドファンディングで資金を集めたと伺いました。


本田:そうです。Makuakeを利用しました。Makuakeのサイトにアップした所、当初の想定よりすごい勢いで応援購入のお申し出をいただきました。



――最初の自社製品で、それだけ成功するのはすごいですね。


本田:我々もそう思い販売を始めたのですが、その後は程ほどの売れ行きです。そう簡単にはいかないですね。(笑)。



滝澤:自社製品の値付けも初めて行いました。14,800円としたのですが、この価格で販売できる方法も試行錯誤しており、ノウハウも蓄積されていると感じます。



――昭和電器様の事業と比べると、市場も製品形態も全く違う、ま さしく新規事業ですね。


本田:プロテインディスペンサーの製品デザインやロゴのデザインは、NI Collaboのテスト・アンケート機能で社員の投票で決めました。これは大分盛り上がりました。



――テスト・アンケート機能もお役立ていただいて何よりです。最後に、今後のNIコンサルティングに期待することをお聞かせください。


本田:営業部門では色々と活用ができているので、今後は製造部門のデータも可視化できるようにしたいと思っています。そのようなことはできますか。



――MapScorerの自動連携API機能によって、他のシステムの情報の取込を行い可視化することができます。


脇島:電子帳簿保存法対応で、仕入先に仕入明細書を送るのに御社のSBAが使いたいと思っています。



――電帳法対策もしていただいていますね。ありがとうございます。ぜひご利用ください。


滝澤:我が社の製品に対する評価も率直に言っていただき、ありがとうございます。ぜひまた話をさせて下さい。



――御社が新しい取り組みをしておられるのを伺うことができて嬉しく思っております。今回はお時間をいただき、誠にありがとうございました。ぜひ、またお話をお聞かせください。


導入製品

業種 導入年月 導入製品
製造業 2016年2月

 ✔ Sales Force Assistant 顧客創造

 ✔ NI Collabo 360

 ✔ 電帳法ストレージオプション

 ✔ MapScorer

 ✔ Sales Quote Assistant

 ✔ Sales Billing Assistant

 ✔ nyoibox


企業概要

昭和電器株式会社
本     社 〒174-0052  東京都板橋区蓮沼町82番2号
TEL : 03-3816-3542
代  表  者 代表取締役社長  滝澤 規雄
事 業 内 容 PPS樹脂による金属部品の樹脂化、PPS樹脂成形、射出成形用金型の設計製作