1882(明治15)年、工部省三池炭鉱分局の付属工場として創業。近年では、新資源・新エネルギー分野へも挑戦し、「海洋資源掘削機」や「風力発電用増速機」「小水力発電設備」等を開発するなど、さらに活躍の舞台を広げている株式会社三井三池製作所様。
代表取締役社長 中村元彦様、取締役 有田豊様、運搬プラント事業本部 運搬プラント営業部 部長 高野博通様、経営企画部 事業戦略室 室長 中嶋正和様、運搬プラント事業本部 運搬プラント営業部 木村仁子様にお話を伺った。
――御社の創業は1882年と創業から140年以上と非常に長い歴史をお持ちですね。
中村:弊社は福岡県大牟田市にある官営三井鉱山の機械工場として発足しました。炭鉱で利用される炭鉱設備機器の製作や修理が祖業です。その後、1959年に三井三池製作所として独立しました。
――WEBサイトを拝見すると「100種100様のモノづくり」とありますが、色々な製品がありますね。
中村:現在は電力業、鉄鋼業、土木業等のインフラ向けの機械に事業範囲を広げています。最近では、小水力発電設備や風力発電用増速機等の再生可能エネルギー分野にも進出しています。
有田:炭鉱で利用される設備機器が祖業ですので、製造現場の独自の要望に合わせてモノづくりをしてきました。オーダーメイドで、設計から製造、組立までの一貫した生産体制が弊社の強みです。
――そうした御社で可視化経営システム(VMS)の導入ご検討の経緯を教えていただけますか。
有田:2016年に長尾社長のセミナーに参加したのがきっかけです。当時、私は原動機の営業部長だったのですが、セミナーの内容とそれを実現する方法としてSFAがあることを知り、検討を始めました。
高野:当社は元々、週次でエクセルを利用して営業報告をしていました。またスケジュールは他のグループウェアを使って管理していました。
中村:当時、私は営業本部長でした。弊社の事業部門は商材や顧客に合せて6部門あります。商材が大きいものは商談期間も非常に長期に亘るのですが、営業管理がそれぞれバラバラに行われており、案件に関する経緯も分からず、困っていました。そうした中でSFAを検討したのです。
――SFAご検討の際は他社も含めて比較をされたと思いますが、なぜ弊社に決めていただいたのでしょうか。
有田:最初に話を聞いてNIさんが良いとは思っていましたが、他社も比較しました。他社も含めて製品のトライアル利用もしました。
そうした検討を行って、自分たちに一番合うという結論に達して御社に決めました。
――ありがとうございます。実際、運用を始めてから時間も経ちますが、運用状況は如何でしょうか。
中村:私の目から見ると、まだまだこれからだと思っています。というのも部門間の差が大きいためです。導入前はこの部門が一番役に立つだろうと思っていたのが、運用を開始すると思ったより登録をしないということがありました。逆に当初の想定よりも役に立っている部門もあります。
中嶋:私は現在はVMS推進の立場ですが、営業担当だった頃はかなり利用していました。当時は担当する顧客が多く、また新型コロナ禍の最中です。そもそも出社もできなかったり、お客様とのやり取りも訪問ができず
に、Web会議で行うことも増えていました。そうすると、従来のやり方では営業管理が難しいことに気づきました。そうした中でSFAに顧客、商談、案件、実行すべきアクション、スケジュールなどを一元化して管理することで、営業が見える化できることに気づきました。こうすると仕事が捗るということが分かったのです。現在は推進者として色々な部門と接していますが、いろいろな取り組みをVMSに集約している部門が効果を感じており、上手くいっていると思います。
――現在の営業部門の木村さんや高野部長は、いかがですか。
木村:私は日報から商談登録していくことで、商談の履歴が確認できる点が便利だと思います。また自分の日報に上司や同僚から、指示やアドバイスのコメントが入ることでコミュニケーションにも役立っており、自分の成長につながっていると思います。
高野:弊社では週次なり日次なりで営業報告をする習慣はありましたが、元々利用していた部門や人はできているし、利用していなかったところは時間がかかっているように見えます。
――ありがとうございます。それぞれのお立場で捉え方が違いますね。ところで現在、基幹システムの入替中と伺っています。VMSとの連携はどのようにお考えですか。
中嶋:基幹システムはまさに入替準備中です。新しい基幹システムとSFAや見積システムのSQAは連携をすることを前提に準備をしています。既にSQAは運用を始めており、見積書作成・提出は行っています。次のステップでは見積書のデータを基幹システム側で取り込むことを考えています。
――ご検討いただいているように、最近はMapScorerの自動連携API機能を利用することでシステム間の連動性を高める運用ができるようになっています。ぜひご検討いただき、お役立て下さい。
中嶋:スケジュールや設備予約は、自社で構築した社内イントラのシステムで行っていたのですが、利用継続が難しくなっており、NI Collaboで取り組むことも検討しています。
――災害時の安否確認もNI Collabo Now ! で利用できますが、ご存知ですか。
中嶋:安否確認は別のシステムで実施しています。
――他にご利用になっている場合はすぐの切替は難しいと思いますが、NI Collaboでもできることを知っておいていただけますと、NI Collaboの利用範囲が拡大した際に切替もご検討いただきやすいと思います。また、社内の申請業務もワークフローのご利用を始められたとのことですが、運用状況はいかがでしょうか。
高野:営業部門主体で運用を始めています。便利だと思いますが、たまに通知に気づかない社員がいたりして、まだまだこれからです。
――ワークフローを社外で利用する際はスマホアプリの「Attention」をご利用いただくと良いと思います。プッシュ通知の設定ができるので、パソコンでNI Collaboを開いていない時でもスマホで確認をいただくことができます。ワークフローで承認された情報は情報の精度が高いので、自動連携APIの送信機能を利用することで基幹システムとの連携性を高めることができます。他にはNI Collaboから出退勤の打刻データを作成し、他のシステムで利用するという運用をしているクライアント企業様もあります。ペーパーレス化して、システム間の連携性が高まると業務のスピード、精度が上がっていきます。是非、お試しになってみて下さい。
中嶋:試してみたいと思います。
―最後に弊社に対するご要望がありましたら、お聞かせいただけますか。
高野:これは御社への要望ではないかもしれませんが、SQAで見積作成をしているのですが、原価から販売価格への展開がもう少し簡単にできると良いと思います。
木村:私は見積作成して申請をする際に金額や商材毎に、ルート設定を自分でしないといけない点が手間だと思います。選択を間違えてしまうこともありますので。
――見積原価と販売価格へのお話は基幹システムを含めて、少し運用を見直す必要がありそうですね。改めてお話を伺った上でご提案します。また、見積書の申請は、金額や条件によって自動で申請ルートが変わるようにすることが可能です。システム設定で可能ですので、ぜひ改めて説明させてください。
中村:私はまだまだこれからだと考えているので、今後に期待をしたいと思います。まだ役に立つと腹落ちしていない社員もいるので、引き続き、まず使ってみよう、商談を登録してみようと社内に発信し続けていきたいと思います。
――VMS単体での運用に加えて、御社で基幹システムとの連携までお考えをいただいておりますので、業務改善につながっていくと思います。ぜひ引き続きお力になりたいと思っております。本日は貴重なお時間をいただき、ありがとうございました。
業種 | 導入年月 | 導入製品 | |
---|---|---|---|
製造業 | 2018年1月 |
✔ nyoibox |
株式会社三井三池製作所 | |||
---|---|---|---|
本 社 |
〒103-0022 東京都中央区日本橋室町2-1-1 三井2号館5F TEL : 03-3270-2001 |
||
代 表 者 | 代表取締役社長 中村 元彦 | ||
事 業 内 容 | ■ 運搬機械・プラント設備 石炭・鉄鉱石・石灰石等の鉱物資源や、木材・ウッドチップ等の森林資 源、排脱石膏や石炭却灰等のリサイクル資源など、ありとあらゆるバラ 物を搬送する荷役・運搬・貯蔵プラント機械のエンジニアリング・施工 ■ 原動機 小型・軽量という特徴を追求した遊星歯車減速機や、JIS規定以上の 高効率でかつ低始動電流を達成した低始動電流高効率電動機の設 計・製造 ■ 掘削機械 道路や鉄道のトンネル掘削、上下水道などのライフライン整備などに利 用される土木建設機械の設計・製造 ■流体機械 環境対策に優れた小水力発電設備(特に2,000kW以下)の分野にお いて、水車・発電機・制御装置・増速機など、発電所で必要な機器の設 計・製造・据付 ■鉄構設備 プール・浴槽など各種ステンレス製品の設計・製造・施工 ■ファインブランキング 高精度・高品質の部品を生産するファインブランキング工法を用いた精 密打抜成型部品の製造、およびファインブランキング金型の設計・製造 |